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あなたが元気になる 介護革命物語
共に笑い、共に喜び、共に生きてゆく-




介護する側も、介護を受ける側も、双方が幸せな生活が送れることが介護の目指すべき理想です。
それが目指す介護のかたちです。
介護革命物語 第1回目は事例をご紹介します。
私の名前は、本田里奈。市内にある介護施設で働いています。私の施設にAさんという女性が入居しています。
Aさんは元々他施設(以下B施設)に入所しており、私どもの施設に引っ越してこられました。
今回はAさんの引っ越しからおよそ1か月の間に起こったエピソードをお話しします。


Aさん 80歳・女性
要介護5(介護保険制度上、最も介護が必要だと認定された状態)
入所中の施設:介護保険施設(B施設という)

B施設での生活


移動は車いすで、食事は全て介護者がスプーンで食べさせてあげていました。食物はミキサーにかけて潰し、更にとろみをつけて食べやすく加工したものでした。食べることにも時間がかかり職員が対応できないため、基本的には毎日ご家族がB施設へ行き、食事を食べさせておられました。排泄はおむつを使っており、おむつ内へ排泄されても、出たことがわからないとのことで訴えることができませんでした。
とにかく日常生活全般において常に介護が必要な状態でした。認知症も進行しており、ボーっとされていることが多く、他者からの呼びかけにも反応がない状態とのことでした。

今日から宜しくお願いします!」と挨拶すると、反応はありませんでしたがしっかり握手をしてくださいました。他利用者様も新しくやってきたAさんをあたたかい雰囲気のなか笑顔で迎え入れてくださいました。リビングにて普通の椅子に座り替え、介助のもと飲みやすくとろみをつけたお茶を飲んでいただきました。するとAさんはしっかり「ごくん」と飲み込むのです。これはミキサーにかけたものでなくとも、普通の食事を召し上がれるのでは?と思い夕食には食べやすいようおむすびにしたごはん、普段通りのおかずを準備しました。

夕食時、いつものように食事介助に来たご家族様はAさんの様子を見て驚かれました。「何で自分で食べているのですか?どうして?」目には涙をためていらっしゃいました。

Aさんは、しっかりと自分の手でおにぎりをつかみ、ちゃんと食べておられました。時々、食べこぼす場面もありましたが、用意した食事を全部食べてくださいました。
その日のうちに、おむつから紙パンツに履き替えて貰い、トイレへ座って頂くことも援助しました。その後も継続して援助を続けると、トイレに行きたいという意思表示をしてくださるまでになりました。


車いすを自ら操作され、食堂や廊下を移動されるようになりました。そして、「いる」「いらん」「好き」「嫌い」「する」「嫌だ」など単語ですが、言葉でご自分の意思を伝えてくださるようになりました。

以下、ご家族様のことばです。

前は面会に行っても、誰が来たのかわかっているのか、嬉しいのかどうか、まるで反応がなかったから、あまり行くことに乗り気ではなかったんです。ただ、食事を食べさせんといけんから行ってました・・・。でも、今は来る度に元気になっていて、むしろ会いに来たいと思うようになりました!




このエピソードは、私たちの想いを込めた技(介護の知識と技術)がご本人の能力や意欲を引き出し、その人らしい生活、尊厳が守られた生活を一緒に創ろうとしたからできた、根拠のあるものです。決して奇跡偶然などではありません。私たちは特別な技を使った訳ではなく、特別な工夫をしました。
この工夫が、確かな経験と、医学的根拠に基づいた、私たちの技なのです。

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