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西原セントラルクリニック>> 認知症について



◆ はじめに
 認知症はありふれた疾患であり、高齢化社会では決して珍しい病気ではありません。
実際65歳以上で約10人に1人、85歳以上で約5人に1人が認知症です。
 「同じことを何度も言ったり聞いたりする」「置き忘れやしまい忘れが目立つ」「時間や場所の感覚が不確かになった」等の症状がみられる場合には、「年のせい」でかたづけないで早めに医療機関を受診しましょう。精密検査にて治療可能な認知症が発見されることもあります。

 残された人生を大切に使うためにも早期診断・早期治療が大切ですね。



 
◆ 認知症治療薬最新情報
 アルツハイマー型認知症(以下AD)の治療薬として「アリセプト」が1999年に認可されて以来、10年以上認知症に対する新しい治療薬が日本では発売されていませんでした。AD治療薬として「レミニール」が2011年3月に、「メマリー」が2011年6月初旬に発売。その1ヶ月後の7月にもう一種類「リバスタッチパッチ」が新たに発売されています。   



 「レミニール」「リバスタッチパッチ」は「アリセプト」と同じ系統の薬で、軽度~中等度のAD患者さんにおいて記憶、注意及び集中力を改善する効果があるといわれています。 

 「メマリー」は「アリセプト」とは全く作用機序(薬物が生体に作用を現す仕組みのこと)を異にする治療薬であり、NMDA受容体拮抗作用により脳の神経細胞を保護して壊れるのを防ぐとともに、情報の伝達を交通整理してくれる働きがあります。不穏、落ち着きがない状態を改善してくれる効果が期待されており、中等度、高度のAD患者においてドネペジルの併用薬として、また治療効果が認められなくなった場合の変更薬として効果が期待されています。 

 「リバスタッチパッチ」は、貼布剤(貼り薬)であるため、内服が困難な患者さんでも使用でき、また、使用状況を目で見て確認できるので便利です。「リバスタッチパッチ」はアセチルコリンエステラーゼ阻害作用に加えて、ブチリルコリンエステラーゼ阻害作用を併せ持つという、これまでのADの治療薬にない効果をもっています。そのため脳内神経伝達物質であるアセチルコリンの減少を今まで以上に抑える事が可能となり、認知機能のよりいっそうの改善が期待されています。

 アセチルコリンの減少を抑制する薬として「アリセプト」「レミニール」「リバスタッチパッチ」、そしてNMDA受容体拮抗作用というユニークな作用を持った「メマンチン」の4種類の抗認知症薬を上手に選択・併用することにより認知症患者さんの病態を改善し、落ち着いた生活が送れるように支援してあげたいと考えています。
 
◆ 物忘れと認知症の違い
「人や物の名前が思い出せない」 
「メガネや財布など、大切なものをなくしたり、置き忘れたりする」
「人と会う約束や日時を忘れる」 

 上記の症状は、多くの方が経験されたことがあるのではないでしょうか。日常生活の中で起こる「ふとした物忘れ」は、一見、何も問題がないように感じますが、実は認知症の初期症状である可能性があります。
 物忘れには、「加齢に伴い脳の働きが低下することで起こる単なる物忘れ(生理的物忘れ)」と「同年齢の方に比べ、平均を大きく上回る物忘れ(認知症の初期症状である記銘力障害)」の2種類分けられます。

 「生理的物忘れ」と「認知症の初期症状」の簡単な見分け方は、ある行為や事柄の一部を忘れる場合を「生理的な物忘れ」と判断します。それに対して、体験したことそのものを忘れ、物忘れをしている自覚がない場合は「認知症の初期症状」が疑えます。

たとえば、家族でレストランへ食事に行き、ハンバーグ定食を食べたとします。翌日になって、レストランへ行ったことは覚えているが、ハンバーグを食べた事を忘れているのは加齢に伴う「生理的な物忘れ」としてありうることです。しかし、レストランへ食事に行ったこと、すなわち体験したこと全てを忘れているのは「認知症の初期症状」の可能性があります。  



  初期の認知症は、医師の検査によっても、まれに生理的物忘れか認知症かを判断することが困難な場合があります。しかし、初期の認知症をそのまま放置し、認知症が進行すると、徐々に物忘れがひどくなり、やがて従来どおりの日常生活を行うことさえ困難になります。認知症を引き起こす病気には様々な種類があり、中には「治療するとしっかり治る認知症」もあるため、専門医から早期に正しく診断、治療を受けることが重要です。
 当院の物忘れ外来では、物忘れや認知症の不安を抱えた方に対して、生理的な物忘れなのか、認知症によるものかを診断いたします。また、認知症を引き起こす病気の種類を診断し、治療方法をご提案いたします。
 
◆ 物忘れ外来の診断の流れ
 当院では、問診、神経心理検査(HDS-R・MMSE・前頭葉機能検査・リバーミード行動記憶テスト・Kohs 立方体検査・時計描画テスト等)、頭部CT検査、血液検査(ビタミン・甲状腺機能)等の結果から認知症の病型並びに重症度を診断し、病状の説明をいたします。その後、薬物療法の指導はもちろん家庭でのケアの仕方や社会資源の有効な活用方法をアドバイスいたします。

※初診患者様は待ち時間を含めて、1時間程度かかりますので、ご了承ください。
※一度だけの診察では、必要な検査が終了しない場合や検査結果が出揃わない場合があります。その際は、最終結果のご説明が次回の診療になる事もあります。
※加齢に伴う物忘れと診断された方や生理的物忘れと認知症の判断が困難だった方でも、6ヶ月後に再度検査を受けられることをお勧めします。 
 
物忘れ外来の診断について、お気軽にご相談下さい。