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睡眠時無呼吸症候群〜その睡眠は大丈夫?

2019.4.5

睡眠時無呼吸症候群(SAS)ってどんな病気?

睡眠時無呼吸症候群(SAS/Sleep Apnea Syndrome)とは上気道(空気の通り道)が閉塞することにより睡眠中に何回も呼吸が止まる、または浅く・弱くなり、それによってさまざまな日常生活に障害を引き起こす疾患です。


上気道の閉塞の原因は、首周りの脂肪の沈着、扁桃肥大、アデノイド、気道へ舌が落ち込む、舌が大きい(巨舌症)、鼻が曲がっているなどがあげられます。

欧米人のSAS患者は肥満している人がほとんどですが、日本人は欧米人に比べて下あごが小さく気道が塞がりやすいので、太った人がかかる病気という認識は間違いです。


主な症状としていびきや寝汗をかく、夜中に何回も起きる、起床時の頭痛、日中の強い眠気や倦怠感などがありますが、無呼吸は寝ている時に起こるので本人には自覚がないことが多いです。

睡眠時無呼吸症候群

【睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性がある方】

●同居者からいびきや無呼吸の指摘をされたことのある方
●日中の眠気やだるさを感じるような方
●起床時の頭痛、夜間頻尿、抑うつ気分・意欲低下を自覚する方
●居眠り運転で事故を起こした、あるいは眠気のため運転業務がつらい方
●高血圧、心臓疾患(不整脈・心不全)、糖尿病の治療中で、薬が処方されているのにコントロールがうまくいっていない患者さん

生活習慣病の悪化や交通事故のリスクも

SASは生活習慣病と密接な関わりがあります。


夜間の頻回な無呼吸によって低酸素血症や交感神経の緊張、酸化ストレスや炎症、代謝異常などの生活習慣病の準備状態が進み、高血圧や糖尿病、脳血管障害、虚血性心疾患などの罹患リスクを高め症状を悪化させます。


また、中途覚醒による睡眠の分断が日中の眠気、判断力や集中力の低下を引き起こし仕事中や運転中の事故につながる危険もありますので、「もしかしたら?」と思ったら早期に適切な検査・治療をすることが大切です。


■合併症

SAS患者さんの多くは高血圧、糖尿病、心臓病、脳卒中などの生活習慣病を合併しています。最近では肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症の「死の四重奏」にSASを加え、「死の五重奏」と言われることもあります。それほどSASは生命に関係している疾患です。


しかし、SASを治療することで「四重奏」を軽減できたり、予防することもできます。患者さんの中にはSAS治療をすることで高血圧の薬を減量できた方もいらっしゃいます。適切な検査を行い、ご本人にあった治療を行うことが大切です。


■交通事故

SAS特有の昼間の眠気は、居眠り運転事故や労働災害などにつながります。2003年の山陽新幹線運転士の居眠り運転は、SASの眠気によって起こったことでした。ある報告によると、酩酊に近い飲酒状態より重症SAS患者さんの方が、自動車運転のハンドル操作ミスが多かった、とデータが出ています。


SASによる眠気ではありませんが、アメリカ睡眠調査「WAKE UP AMERICA」によると、スリーマイル島の原子力発電所の事故や、スペースシャトルチャレンジャーの事故は睡眠障害によって引き起こされたと報告されています。たかが眠気と侮っていると大事故などを起こしかねません。


幸いSASによる眠気は、SASをしっかり治療することでコントロールできます。心当たりのある方は早期に専門施設を受診されることをお薦めいたします。

SASの検査について

まず外来時に昼間の眠気の自覚、既往歴や体調変化、いびきの有無などの問診を行います。


その結果SASの可能性が疑われる場合には、睡眠の状態や呼吸の状態などを総合的に調べるために、ご自宅での簡易検査または1泊入院での精密検査(ポリソムノグラフィー検査)を行います。いずれの検査も痛みはなく、眠った状態で検査します。


SASの検査について

■問診

睡眠時無呼吸症候群の診断をする上で重要なのは外来時の問診です。


生活習慣や眠気の程度(ESS検査が有用です)、合併症などについてお聞きします。無呼吸は夜寝ているときに起こるので、本人には分からないこともあるので、できればベッドパートナーに同席していただくとより的確な状態を知ることができます。


■検査

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には、ご自宅で簡単にできる無呼吸の検査器具を一晩装着し、寝ていただきます。(簡易検査)


無呼吸・低呼吸指数(AHI)が40回/時間の方は、この簡易検査で治療方針を決定できる場合もあります。


簡易検査で診断がつかない場合は、精密検査(ポリソムノグラフィー検査:PSG)が必要になる場合もあります。


精密検査では入院し、脳波や心電図、胸腹部の動き、血中酸素飽和度などの検査端子を体に取り付けて一晩寝ていただきます。一泊入院が必要ですが夕方〜翌日早朝までの検査なので、仕事を休むことなく実施できます。


これらは睡眠時無呼吸症候群の病型(閉塞型・中枢型・混合型)、正確な重症度判定し、治療方針の決定には重要な検査です。


睡眠時無呼吸症候群 簡易検査の装着
睡眠時無呼吸症候群 精密検査の装着

SASの治療について

得られたデータを解析して重症度を判定し、症状に応じて治療いたします。


■生活習慣の改善

横向き睡眠、アルコールや睡眠薬の制限を行います。軽症で肥満がある方ではダイエットだけで改善する場合もあり、栄養指導などを通して生活習慣の改善も同時に行います。


■経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)

簡易ポリグラフ検査で無呼吸・低呼吸指数が40回/時以上、あるいは精密ポリグラフ検査で無呼吸・低呼吸指数が20回/時以上の方に適用する療法です。鼻マスクから気道に空気を送り込み、気道の閉塞を防いで無呼吸を軽減します。


■スリープスプリント

小顎症や歯の噛み合わせが原因の場合には、睡眠中に口の中に装着する装具(マウスピース)を歯科で作成してもらいます。


その他、扁桃肥大が原因の場合は扁桃摘出術が適応となります。


睡眠時の閉塞部分
CPAP療法

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