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片頭痛の診断・予防と専門医の新規治療

2021.8.17

正確な片頭痛の診断が重要です

片頭痛の有病率は12%に及び、一生のうちで女性の18.2%、男性の6.2%が片頭痛を発症すると報告されています。またWHOでは仕事や日常生活に支障をきたす疾患の第19位に位置づけされていますが、片頭痛患者の病院受診率は30%と低く、受診しても正確な診断がなされていないケースも多く存在するといわれています。

片頭痛の病態生理

片頭痛のメカニズムはいまだ不明な点も多いですが、その発症機序には頭蓋内・硬膜血管に分布している三叉神経終末が何らかの刺激により興奮し片頭痛発作を起こすという三叉神経血管説が有力視されています。一酸化窒素、ヒスタミン、セロトニン、グルタミン酸、ドパミン、オレキシン、CGRPなどの神経ペプチドが病態に関与するといわれており、2021年1月にはCGRPを標的とした新規治療(ヒト化抗CGRPモノクローナル抗体製剤:エムガルディ)が国内製造販売承認を得て脚光を浴びています。

前兆のない片頭痛の診断

慢性頭痛の診療ガイドラインでは前兆のない片頭痛の診断基準として以下が表記されています。数多くサブタイプが存在する片頭痛の中で最も多い型です。下記に当てはまらなくても頭痛外来を受診し、診察を受けることが重要です。

前兆のない片頭痛の診断基準

  1. A以下のB~Cを満たす頭痛が過去5回以上認められる
  2. B4〜72時間持続する頭痛(無治療で)
  3. C以下の2項目以上を満たす頭痛
    1. 片側性の頭痛
    2. 拍動性の頭痛
    3. 中等度~重度の頭痛
    4. 日常の活動で頭痛が増悪する
  4. D頭痛の間に以下の1項目以上が認められる
    1. 悪心・嘔吐
    2. 羞明および聴覚過敏

片頭痛の治療

発作時はトリプタン(5-HT1B/1Dセロトニン受容体作動薬)を使用します。現在、スマトリプタン(イミグラン)、ゾルミトリプタン(ゾーミック)、ナラトリプタン(アマージ)、リザトリプタン(マクサルト)、エレトリプタン(レルパックス)と5種類のトリプタン製剤が選択可能です。作用時間の速さや持続時間の長さの違いがあり、適切なものを選択いたします。痛み出したらなるべく早く使用することが重要です。ひとつのトリプタンで効果がなくとも、他のトリプタンに変更し効果を認めることがあります。

片頭痛の予防

月に2回以上、日常生活に支障をきたす程度の頭痛がある場合に予防投与を考慮します。
目標は頭痛の頻度50%減です。抗うつ薬、抗てんかん薬、β遮断薬、Ca拮抗薬など様々な片頭痛予防薬の中から、併存症や社会背景などを参考に適切と思われる予防薬を選択いたします。

新しい片頭痛予防薬

2021年4月からCGRPを標的とした新規治療(ヒト化抗CGRPモノクローナル抗体製剤)が可能となり、既存の予防薬で十分な予防効果が得られない方や副作用のために安定した予防内服が難しい方にとって非常に有益で期待できる治療と思われます。
同薬を処方できる医師は頭痛診療に5年以上の臨床経験を有する専門医(日本頭痛学会、日本神経学会、日本脳神経外科学会の各専門医、および日本内科学会の総合内科医)に限定されています。当院では処方可能ですので、長年、片頭痛に悩まれて治療に難渋している方は是非お越しいただきご相談いただければ幸いです。