医療法人好縁会 Medical Group KOENKAI

人生100年時代。認知症は誰もがなりうる病気です

高齢化の進む日本で、認知症の高齢者は加速度的に増えています。実際、65歳以上の高齢者の約7人に1人は認知症で、団塊世代が後期高齢
者となる2025年には5人に1人、約700万人が認知症になると予測されています。 もの忘れがひどい、判断・理解力が衰えた、時間や場所の感覚が不確かになった等の症状がみられる場合には、「年のせい」で片づけないで早めに医療機関を受診しましょう。認知症は何かの病気によって起こる症状や状態の総称で、精密検査で治療可能な病気が発見されることがあります。充実した人生を全うしていただくためにも早期診断・早期治療が大切です。

認知症の治療薬

現在、日本国内では認知症の薬として4種類が認可されています。「レミニール」「リバスタッチパッチ」「アリセプト」は脳内神経伝達物質・アセチルコリンの減少を抑制するコリンエステラーゼ阻害薬で、軽度〜中等度の認知症患者の記憶、注意、集中力を改善する効果があります。もう一つの「メマリー」はNMDA受容体拮抗薬と呼ばれ、脳の神経細胞を保護して壊れるのを防ぐとともに、情報の伝達を交通整理してくれる働きがあります。不穏、落ち着きがない状態を改善する効果が期待され、コリンエステラーゼ阻害薬のうち1剤と併用して治療することも可能です。
貼り薬タイプの「リバスタッチパッチ」は内服が困難な患者さんでも使用でき、使用状況を目で見て確認できるので便利です。脳内のアセチルコリンを分解する酵素にはアセチルコリンエステラーゼとブチルコリンエステラーゼの2種類があり、その両方の阻害作用を併せもつのも特徴です。そのためアセチルコリンの減少を今まで以上に抑える事が可能となり、認知機能のより一層の改善が期待されています。
「アリセプト」「レミニール」「リバスタッチパッチ」「メマンチン」の4種類の抗認知症薬を上手に選択・併用することにより認知症患者さんの病態を改善し、落ち着いた生活が送れるように支援します。

物忘れと認知症の違い

「人や物の名前が思い出せない」
「メガネや財布など、大切なものをなくしたり、置き忘れたりする」
「人と会う約束や日時を忘れる」
といった症状は、多くの方が経験されたことがあるのではないでしょうか。日常生活の中で起こる「ふとした物忘れ」は、一見、何も問題がないように感じますが、実は認知症の初期症状である可能性があります。物忘れには「加齢に伴い脳の働きが低下することで起こる単なる物忘れ(生理的物忘れ)」と「同年齢の方に比べ、平均を大きく上回る物忘れ(認知症の初期症状である記銘力障害)」の2種類に分けられます。
「生理的物忘れ」と「認知症の初期症状」の簡単な見分け方は、ある行為や事柄の一部を忘れる場合が「生理的な物忘れ」。それに対して、体験したことそのものを忘れ、物忘れをしている自覚がない場合は「認知症の初期症状」が疑われます。例えば、家族でレストランへ食事に行き、ハンバーグ定食を食べたとします。翌日レストランへ行ったことは覚えているが、ハンバーグを食べた事を忘れているのは加齢に伴う「生理的な物忘れ」の範疇ですが、レストランへ食事に行ったこと、すなわち体験したこと全てを忘れているのは「認知症の初期症状」の可能性があります。

初期の認知症は、医師の検査でもまれに生理的物忘れか認知症かを判断するのが困難な場合があります。しかし初期の認知症を放置し、そのまま認知症が進行すると徐々に物忘れがひどくなり、やがて従来どおりの日常生活を行うことさえ困難になります。
認知症を引き起こす病気には様ざまな種類があり、治療するとしっかり治る認知症もあるため、専門医から早期に的確な診断、治療を受けることが重要です。

当クリニックの物忘れ外来では、物忘れや認知症の不安を抱えた方に対し、生理的な物忘れなのか、認知症によるものかを診断いたします。また、認知症を引き起こす病気の種類を診断し、治療方法をご提案いたします。

物忘れ外来の診断について

当クリニックでは、問診、神経心理検査(HDS-R・MMSE・前頭葉機能検査・リバーミード行動記憶テスト・MoCA・時計描画テスト等)、頭部CT検査、血液検査(ビタミン・甲状腺機能)等の結果から認知症の病型並びに重症度を診断し、病状の説明をいたします。その後、薬物療法の指導はもちろん、家庭でのケアの仕方や社会資源の有効な活用方法をアドバイスいたします。

  • 初診は予約が必要となります。事前に問診票を郵送しますのでご記入の上、診察時に持参してください。
  • 初診は待ち時間を含めて、1時間程度かかります。あらかじめご了承ください。
  • 一度だけの診察では、必要な検査が終了しない場合や、検査結果が出揃わない場合があります。その際は、最終結果の説明が次回の診療になることがあります。
  • 加齢に伴う物忘れと診断された方や生理的物忘れと認知症の判断が困難だった方でも、6ヶ月後に再度検査を受けられることをお勧めします。

物忘れ外来の診断について、お気軽にご相談ください。