鼻づまりが強い方は、薬の組み合わせがカギ

花粉症では「くしゃみ・鼻水」だけでなく、「鼻づまり」に悩まされる方も多く見られます。鼻づまりが強い場合には、市販薬のみでは十分な改善が得られないこともあります。

■ 点鼻用血管収縮薬は短期間の使用を

即効性のある点鼻薬は一時的に鼻づまりを改善しますが、長期間使用すると「薬剤性鼻炎」を引き起こす恐れがあります。短期間に限定して使うことが大切です。

■ 複数の薬を組み合わせて根本改善を

医療機関では、抗ヒスタミン薬に加えて、点鼻用ステロイド薬やロイコトリエン受容体拮抗薬などを組み合わせることで、粘膜の腫れや炎症を根本から抑える治療が可能です。

花粉症治療の基本は「副作用の少ない最小限の治療で最大の効果を得る」こと。そのためには、専門医による症状や体質に合わせたオーダーメイドの治療が重要です。

重症花粉症には、生物学的製剤「ゾレア」という新しい選択肢も

通常の治療で十分な効果が得られない方、鼻づまりやくしゃみが特に強い方には、生物学的製剤「ゾレア（オマリズマブ）」という新しい治療法もあります。

ゾレアは、アレルギー反応の原因となるIgE抗体の働きを直接抑えることで、鼻水・くしゃみ・鼻づまりといった症状を根本から軽減します。

治療は花粉の飛散時期にあわせ、1〜2回／月の皮下注射をおこないます。

強い花粉症症状でお悩みの方や、通常の薬で効果が出にくい方には、有力な治療の選択肢となります。

使用にあたっては、血液検査（IgE値）や症状の重さをもとに、医師が適応を判断します。

スギ花粉症根治を目指す「舌下免疫療法」

スギ花粉症では、鼻の症状だけでなく、目のかゆみ・皮膚炎・喘息の悪化など、全身に症状が出ることがあります。そのため、体質そのものの改善を目指す舌下免疫療法が注目されています。

スギ花粉が飛び始める2週間前から始める「初期療法（予防的治療）」では、症状の出現を遅らせたり、ピーク時のつらさを軽減する効果があります。中等症以上の方には特におすすめです。

2014年からは、スギ花粉症に対して舌下免疫療法が保険適用となり、アレルギー体質そのものを改善する根治療法として多くの方が取り入れています。妊娠中も継続可能で、安全性の高い治療法です。

毎年花粉症でお悩みの方は、一度ご相談ください。西原セントラルクリニックでは専門医が丁寧に診療いたします。