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季節の変わり目に増える「長引く咳」――もしかして咳喘息？

西原セントラルクリニックの　下山　です。 今回は、季節の変わり目に増える「咳喘息」についてお話しします。

季節の変わり目に「咳がなかなか止まらない」と感じることはありませんか？
風邪が治っても乾いた咳が続く場合、それは咳喘息（せきぜんそく）の可能性があります。

咳喘息は、ゼーゼー・ヒューヒューといった喘鳴がなくても、数週間から数か月にわたって乾いた咳が続くのが特徴です。
特に秋から冬、そして春先にかけて症状が現れやすく、気温差や環境の変化が大きく関係しています。

ここでは、季節ごとの注意点と予防のコツをご紹介します。

🍁 秋〜冬は冷たい空気とかぜに要注意

10月〜2月の寒い季節は、咳喘息の発症が最も多く見られます。
冷たい空気は気道を刺激しやすく、過敏になった気道が咳を引き起こします。
また、かぜウイルスによる感染をきっかけに発症することも少なくありません。

この時期の対策ポイント：

• 🧣 マスクやマフラーで口元を覆い、冷気の刺激を防ぐ
• 🏠 室内は湿度50〜60％を保ち、乾燥を防止する
• 🤧 かぜ予防の基本である手洗い・うがいを徹底する
• 💊 咳喘息の既往がある方は、吸入薬などを医師の指示通りに継続

🌸 春は花粉・黄砂・PM2.5が刺激に

春先も気を抜けません。スギやヒノキの花粉、黄砂、PM2.5など、空気中の微粒子が気道を刺激し、咳を悪化させることがあります。
特にアレルギー体質の方は、咳喘息を併発しやすい傾向があります。

春の対策：

• 😷 外出時はマスクや眼鏡、帽子を着用し、帰宅後は衣服の花粉を落とす
• 🪟 花粉の多い日は窓の開閉を控え、空気清浄機を活用
• 🚿 帰宅後の洗顔・うがいで刺激物を洗い流す

☀️ 夏はエアコンによる冷え・乾燥に注意

夏は比較的症状が落ち着きますが、エアコンの冷風や乾燥した空気が気道に負担をかけることがあります。
冷風が直接当たらないようにし、加湿を心がけましょう。

💉 インフルエンザ予防も咳喘息対策のひとつ

秋冬にかけてはインフルエンザが流行する季節でもあります。
感染すると咳が強くなり、気道の炎症が長引いて咳喘息を誘発することがあります。
毎年のワクチン接種は、感染予防だけでなく咳喘息の再発防止にもつながります。

• 💉 インフルエンザ感染・重症化の予防
• 💊 咳喘息の悪化や再燃を防止

🩺 通年で意識したい生活習慣

• 🚭 たばこや受動喫煙を避ける（気道の刺激要因になります）
• 👃 鼻炎・副鼻腔炎など上気道炎症は早めに治療する
• 🧘‍♂️ 睡眠や栄養、ストレス管理で体調を整える

📌 まとめ：長引く咳は早めの受診を

「風邪が治っても咳だけが続く」「夜や朝方に咳が出やすい」――そんなときは、自己判断せず医療機関にご相談ください。
早期の診断と治療で、本格的な喘息への進行を防ぐことができます。
季節の変化に合わせたケアで、健康な呼吸を保ちましょう。

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このコラムを書いたのは…

下山 直登 医師（理事長 / 内科全般・呼吸器・アレルギー科）

【主な経歴】
1986（昭和61）年 広島大学医学部医学科卒業
1988（昭和63）年 広島大学第二内科学教室入局
北九州総合病院、呉医師会病院 勤務
1994（平成6）年 下山内科クリニック 開業
1997（平成9）年 医療法人好縁会 下山記念クリニック 理事長 就任

【資格・所属学会】
・日本内科学会 認定医
・日本プライマリ・ケア連合学会 プライマリ・ケア認定医
・日本アレルギー学会 専門医
・日本認知症予防学会 専門医
・日本糖尿病協会 療養指導医

理事長として、そして一人の臨床医として、幅広い内科診療に取り組みながら「安心して任せられるかかりつけ医」を目指しています。
健康や暮らしに関するご不安・ご相談がありましたら、どうぞお気軽にご来院ください。