金属アレルギーとパッチテスト
ネックレスやピアス、腕時計、歯の詰め物などを身につけた際に、肌が赤くなる・かゆくなる・湿疹が出ることはありませんか?
その症状は「金属アレルギー」による反応の可能性があります。
金属アレルギーは、金属が汗や唾液で溶けて皮膚に触れることで、体がそれを「異物」と認識し炎症を起こすことで発症します。
一度アレルギーが成立すると、同じ金属に触れるたびに症状が出やすくなります。
パッチテストとは
皮膚炎の原因として皮膚に接触する
- ・化学物質
- ・日用品
- ・化粧品
- ・薬剤
- ・歯科金属
- ・食物
などが関係していないかどうかを調べる検査です。
パッチテストは背部に種々のアレルゲンを貼り、以下の様なスケジュールで経時的な反応を観察し、皮膚炎と何らかのアレルゲンが関係しているかを確認します。
検査の流れ
- 1.初日:(火曜)診察後に注意点を確認した後、複数のパネルを貼ります。
- 2.2日後(木曜):シールを剥がし、1時間後に反応を確認します。
- 3. さらに2日後(土曜):遅れて出る反応を確認します。
※場合によっては翌週火曜日に来院をお願いする場合があります。
赤み・腫れ・かゆみが出た場合アレルギー原因と判断されます。
金属アレルギーの代表的な原因金属
| 金属名 | 主な使用例 | 特徴 |
|---|---|---|
| ニッケル(Ni) | アクセサリー、ボタン、時計 | 最も多い原因。汗で溶けやすく反応しやすい |
| コバルト(Co) | 歯科金属、工具 | ニッケルと併発しやすい |
| クロム(Cr) | 皮革製品、工具、メッキ | 日用品でも反応しやすい |
| 金(Au) | ピアス、歯科クラウン | 高級金属でもアレルギーを起こすことがある |
| パラジウム(Pd) | 歯科合金 | 歯科金属での反応が多い |
検査を受けるメリット
- ・どのような物質に反応しているのかを調べることができる
- ・歯科治療や手術で安全な素材を選びやすい
- ・アクセサリーや化粧品選びの指針になる
検査時の注意点
- ・パッチが剥がれないように激しく汗をかく運動、入浴・シャワー浴は避けてください。
- ・強いかゆみや痛みがある場合は、パネルを剥がさず、早めに医師へ相談しましょう。
- ・一部の薬は結果に影響するため、使用している薬剤があれば診察時に医師へ相談してください。
その他、検査の注意点についてはパネルを貼る前にお伝えします。
まとめ
金属アレルギーは、原因を特定し正しく対応すればコントロールできる病気です。
「どの金属に反応しているのか」を知ることが、快適で安心な生活の第一歩になります。
気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
パッチテストは痛いですか?
シールを貼るだけの検査なので痛みはありません。
検査中に入浴できますか?
パッチが濡れると結果に影響がでるため、入浴・シャワー浴は避けてください。
金属アレルギーは治りますか?
完全に治すことは難しいですが、原因金属を避けることで症状は十分にコントロールできます。
どの金属に反応しやすいですか?
最も多いのはニッケルです。
ニッケルは、酸にとても弱い性質も持っているため、汗で溶けやすいです。
他にもコバルト、クロム、金、パラジウムなどが代表的です。
参考:
