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下山記念クリニックの 岩本 です。
今回は、胃がんをはじめとする消化器疾患の早期発見に欠かせない【上部内視鏡検査】についてお話しします。
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「最近、少し胃がもたれる気がするけれど、市販薬で様子を見よう」
「胃カメラ(上部内視鏡検査)は苦しいと聞くから、できれば受けたくない」
そのように考えて、胃の不調を我慢したり、検診を後回しにしたりしていませんか?
実は、その「後回し」が、将来の大きなリスクにつながる可能性があります。
今回は、胃がんをはじめとする消化器疾患の早期発見に欠かせない「上部内視鏡検査」の重要性についてお話しします。

1. 早期の胃がんには「自覚症状」がほとんどない
日本人に多いとされる「胃がん」ですが、初期段階では胃の痛みや不快感などの自覚症状がほとんど現れません。
「痛くなってから病院に行けばいい」
と考えていると、発見された時にはすでに進行しているケースも少なくないのです。
がんは、早期に見つかれば見つかるほど根治できる確率が高くなります。
早期の胃がんであれば、お腹を大きく切ることなく、内視鏡による治療のみで完治を目指すことも十分に可能です。
だからこそ、症状がないうちからの定期的な検査が命を救う鍵となります。
2. なぜ「胃カメラ」が良いの?バリウム検査との決定的な違い
胃の検査というと、バリウム(胃部X線検査)を思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし、内視鏡検査にはバリウム検査にはない大きなメリットがあります。
■ 上部内視鏡検査の主なメリット
- ・胃の中を「直接」カラーで見られる
先端にカメラがついた細いスコープを入れるため、粘膜のわずかな色の変化や凹凸など、早期がんの微細なサインを直接観察することができます。
- ・その場で組織を採取(生検)できる
もし疑わしい病変が見つかった場合、内視鏡検査ならその場で組織の一部を採取し、悪性かどうかを確定診断するための病理検査に回すことができます。

「直接見て、怪しければその場で調べる」ことができるのが、上部内視鏡検査の最大の強みです。
3. 「苦しい・痛い」は昔の話。現代の胃カメラは進化しています
胃カメラを敬遠する最大の理由は「オエッとなる嘔吐反射(咽頭反射)が苦しいから」ではないでしょうか。
しかし、検査の技術や機器は日々進化しており、現在では苦痛を最小限に抑える様々な工夫がされています。
■ 苦痛を抑えるための工夫
- ・経鼻内視鏡(鼻からの胃カメラ)
舌の根元にカメラが触れにくい「鼻」から極細のスコープを挿入することで、吐き気を大幅に軽減できます。検査中に医師と会話することも可能です。
- ・鎮静剤(リラックスするお薬)の使用
ウトウトと眠っているような、リラックスした状態で検査を受けられるため、「気づいたら終わっていた」とおっしゃる患者さんも多くいらっしゃいます。
過去の辛い経験から検査をためらっている方も、ぜひ一度当院にご相談ください。
患者さん一人ひとりに合った苦痛の少ない検査方法をご提案します。
4. こんな方は、早めの検査をおすすめします
以下の項目に一つでも当てはまる方は、一度上部内視鏡検査を受けることを強く推奨します。
- ・40歳以上の方(胃がんのリスクが高まり始める年齢です)
- ・胃の痛み、もたれ、胸やけ、膨満感が続いている方
- ・黒っぽい便(タール便)が出た方
- ・過去にピロリ菌の感染を指摘されたことがある方
- ・ご家族に胃がんを患った方がいる方

あなたの「安心」のために、まずは一歩を踏み出してみませんか?
「何も異常がなければ、それで安心できる」。それが検査を受ける最大のメリットです。
万が一病気が見つかったとしても、早期であればあるほど、治療の選択肢は広がり、体への負担も少なくなります。
ご自身の健康はもちろん、大切なご家族のためにも、「怖がらずに受けてよかった」と思える検査を当院がサポートいたします。
検査に対する不安や疑問があれば、診察時にどうぞお気軽にお尋ねください。
よくあるご質問
胃カメラはやはり苦しいですか?
昔の胃カメラに比べると、現在は細いスコープや鎮静剤の使用などにより、苦痛をかなり抑えられるようになっています。「思ったより楽だった」「気づいたら終わっていた」という方も多くいらっしゃいます。
鼻からの胃カメラはできますか?
下山記念クリニックでは、経鼻内視鏡(鼻からの胃カメラ)にも対応しています。舌の根元にカメラが触れにくいため、吐き気が出にくく、口からの検査が苦手な方にもおすすめです。
鎮静剤を使って検査することはできますか?
はい、リラックスした状態で検査を受けていただけるよう、鎮静剤を使用した内視鏡検査にも対応しています。ご希望や体調に合わせてご相談ください。
バリウム検査を受けていれば胃カメラは不要ですか?
バリウム検査でも異常を見つけることはできますが、胃カメラでは胃の粘膜を直接観察でき、必要に応じてその場で組織検査も可能です。より詳しく調べたい場合は胃カメラがおすすめです。
どのくらいの頻度で受けたらよいですか?
年齢や症状、ピロリ菌感染歴、ご家族の病歴などによって異なりますが、40歳以上の方や胃がんリスクが高い方は、定期的な検査をおすすめしています。詳しくは診察時にご相談ください。
ピロリ菌を除菌した後も胃カメラは必要ですか?
ピロリ菌を除菌すると胃がんのリスクは下がりますが、ゼロになるわけではありません。除菌後も定期的に胃カメラを受けることが大切です。
このコラムを書いたのは…
院長 岩本 拓也 医師(消化器内科 / 肝臓内科)
【主な経歴】
2004年 山口大学医学部卒業 / 山口県総合医療センター、山口大学附属病院、小郡第一総合病院、尾中病院などで消化器内科を中心に研鑽 / 2025年より下山記念クリニック勤務
【資格・所属学会】
日本内科学会認定内科医 / 日本肝臓学会専門医 / 日本消化器内視鏡学会専門医 / 日本消化器病学会専門医 / 日本門脈圧亢進症学会技術認定医
肝臓病、消化器疾患に関する専門的な知識と経験をもとに、患者様一人ひとりに寄り添った診療を心がけています。ご不安・ご相談がありましたら、お気軽にご来院ください。