がんは、1981年より日本人の死因の第1位で、広島県では総死亡者数の約3割、年間約8,200人が、がんで亡くなっています。また、生涯のうちにがんにかかる可能性は、男性の2人に1人、女性の3人に1人と推測されています。がん研究が進み、がんの多くは治癒が期待できるようになりました。とはいえ、進行して見つかると治療が難しい場合もまだまだ少なくありません。カギは「早期発見」なのです。そのためには毎年検診を受けて健康状態を見ることが大切です。
日本人のがんによる死亡数が最も多いのは肺がんです。2019年のデータでは男女合計で約7万5000人も亡くなっています。肺がんには「中心型(肺門型)」と「末梢型(肺野型)」の2種類があり、検査方法によってそれぞれの見つけやすさが異なります。
初期には目立った症状が現れにくいので、タバコを吸う人も吸わない人も年1回の検診をおすすめします。
肺中心部の気管支に発生。たばことの関係が深い。咳・血痰などの症状がでる。
【検査方法】CTによる検査が有効。血管や太い気管支の陰に隠れてしまう場所に発生するため、胸部X線検査では見つかりにくい。
肺の末梢に発生。たばことの関係は比較的薄い。病巣が大きくなるまで、症状はほとんどなし。
【検査方法】胸部X線検査で発見されやすいが、CTにより初めて発見されることも多い。
胃がんは日本人に多いがんです。かつてはがん部位別死因のトップでしたが、診断・治療方法が向上し、男性は2位、女性は3位となっています。早期の段階で発見されれば、100%治癒する治療成績の良いがんです。
もっとも胃がんのできやすいのは幽門部(幽門前庭部)で、胃の出口、十二指腸へとつながります。胃がんは食生活やピロリ菌と密接な関係があり、食塩の過剰摂取とも関係するといわれています。
ピロリ菌は日本人の約3500万人が感染しているといわれる胃の粘膜に生息する細菌です。当クリニックでは、胃がん予防のために薬を服用する「除菌療法」での治療を行っています。
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胃がんの診断に欠かせないのは内視鏡検査です。内視鏡で胃を内側から観察し、必要があれば胃の組織の一部を採取し(生検)、病理学的に診断します。
胃内視鏡検査は苦しいというイメージがありますが、当クリニックでは負担の少ない胃内視鏡検査に努めています。胃内視鏡検査がはじめての方でも安心して受診してください。検査に要する時間は概ね10〜20分。病理検査後、1週間程度で結果が出ます。
2016年の部位別のがん罹患数で最も多いのは大腸がんで、男性では3位(8万9641人)、女性では2位(6万8476人)、男女合わせると胃がんを抜いて1位になっています。日本人の大腸がんの発生率は、直腸が35%でもっとも多く、次いでS状結腸の34%、上行結腸で11%、横行結腸で9%、盲腸で6%、下行結腸で5%となっています。
大腸がんの増加は食生活の欧米化などが背景にあるとみられており、今後も増加すると予想されますが、早期に発見して治療すればほぼ治癒が可能ながんです。
大腸にがんやポリープがあると出血をすることがあります。肉眼では見えなくても、便に微量の血液が混じることがあります。今までに行われた複数の臨床試験を含め多くの研究で、便潜血検査を受けることで、大腸がんによる死亡率が大幅に減ることが報告されています。
便潜血検査は1回の便の潜血検査だけで判定すると疑陰性が約3割も存在するといわれているため、便を2回採る方法で行います。食事制限はありません。
もし『がん』になっていたとしても、検診によって早期に病気が発見され、迅速に適切な治療を受けることで、その『がん』による死亡を回避できる可能性があります。
当クリニックでは「肺がん検診」「胃がん検診」「大腸がん検診」の検診を行っています。気になる方は診察にお越しいただき、ご相談ください。
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