CASE 01 | 外来で、長く診てきた先生
8年通った人が、
来なくなる日。
毎月きちんと通ってくる患者さんがいます。待合室でいつも同じ椅子に座っていて、検査値が少し落ち着いた月は、こちらが言う前に「先生、今月はどうですか」と聞いてくる。そういう関係を、何年もかけて築いてこられたはずです。
ある日、ご家族が一人で受付に来ます。足腰が弱って、もう車に乗せられない、と。あなたは在宅を診てくれる先生宛に紹介状を書きます。経過を丁寧に書きます。それが、その方にできる最後の仕事になります。その後どうなったのかを、あなたは知りません。
これは熱意の問題ではありません。外来という枠の外へ出る手段が、制度として用意されていないだけです。当院では、その枠の外にも診療が続いています。