連日の報道にもあります通り、海外での麻疹(はしか)流行の影響により、国内でも感染者が増加しています。
全国的に麻疹ワクチンの入手が困難な状況にあり、当院でも麻疹ワクチンの入荷が4月以降も見込めない状況です。
ワクチンが品薄のため、まず抗体検査で抗体価の確認を行うことを推奨しています。
抗体検査や麻疹ワクチン接種をご希望の方は、ご来院の前に、まずは下山記念クリニックまで事前にお電話にてご連絡ください。
tel:082-424-1121
麻疹について
麻疹は麻疹ウイルス(aramyxovirus科Morbillivirus属)によって引き起こされる感染症です。
感染力はきわめてて強く、以下さまざまな経路で感染します。
- ・空気感染:空気中のウイルスを吸い込む
- ・飛沫感染:咳やくしゃみなどのしぶきを吸い込む
- ・接触感染:感染者と直接接触、または汚染されたドアノブや医療器具を介して間接的に接触
麻疹の強い感染力は、コロナの3倍、インフルエンザの10倍とも言われ、感染するとほぼ100%発症します。
感染すると約10日後に風邪症状が出現(発熱・咳・鼻水など)し、2~3日熱が続いたあと、39℃以上の高熱と全身に赤い発疹が出るのが特徴的です。
麻疹合併症について
麻疹が恐れられる理由は、感染力の強さだけでなく、【合併症】にもあります。
合併症は、疹全体の約30%に起こるとされ、その約半数が【肺炎】、頻度は低いものの【脳炎】もあります。
肺炎と脳炎は麻疹による二大死因であるため注意が必要です。
また、妊娠中に麻疹感染すると、【流産・早産・死産の確率が上がる】ことも知られています。
生まれ年とワクチンと免疫
麻疹に対する免疫獲得は次の2つです。
- ・麻疹に罹患
- ・麻疹ワクチンを2回接種
⇒母子手帳でご確認ください。
麻疹の最も有効な予防法はワクチン接種です。
(2006年以降、2回の定期接種が強く推奨されるようになりましたが、それ以前は任意接種や1回接種だったため、生まれた年代により接種状況が異なります。)
【1977年以前生まれの方】
定期接種開始前の世代で、多くはワクチン接種を受けていませんが、自然感染で麻疹にかかる機会が多かったため、すでに生涯免疫を獲得している可能性が高いです。
【1978年から2005年生まれの方】
定期接種1回世代のため、十分な免疫力がついていない可能性があります。
(1990年~1999年生まれの方は、2007年麻疹大流行にともなう追加接種機会があったため、2回接種済みの方もおられます。)
【2006年以降生まれの方】
1歳と5~6歳の2回定期接種となっているので、正しく接種していれば生涯免疫を獲得できていると考えられます。
免疫を獲得しているかどうか調べる方法が抗体検査(麻疹IgG抗体検査)
麻疹の検査について
免疫を獲得しているかどうか調べる方法が抗体検査(麻疹IgG抗体検査)です。採血検査で、麻疹ウイルスに対するIgG抗体の値(=免疫力)を調べます。
過去の感染の有無や、麻疹ウイルスに免疫を持っているかどうかが分かります。
<抗体検査が推奨される方>
- ・過去の麻疹ワクチン接種歴が不明な方
- ・過去に麻疹罹患歴が不明な方
- ・1977年(昭和52年)以前に生まれた方で麻疹罹患歴が不明な方
- ・妊娠を希望する方や妊娠中の方
当院での麻疹のワクチン接種について
現在、全国的に麻疹ワクチンが入手困難な状況です。
当院でも麻疹ワクチンの入荷が4月以降も見込めない状況です。
▶抗体検査を希望される方へ
検査により抗体が少ないと判明した場合でも、現在、麻疹ワクチンの全国的な共有不足により提供が難しいことをご了承ください。
抗体検査や麻疹ワクチン接種をご希望の方は、受診の前に、クリニックまでお電話にご連絡ください。
下山記念クリニック 082-424-1121
また、ご不明点、ご質問等につきましても遠慮なくお問合せください。