健診で肝機能異常を指摘されたら
脂肪肝の「量」と肝臓の「硬さ」を詳しく調べられます
こんにちは。下山記念クリニック院長の岩本です。
今回は、健康診断で肝機能異常や脂肪肝を指摘された方に向けて、肝臓の脂肪の「量」と「硬さ」を調べる、当院のATI・SWE検査についてお話しします。
AST、ALT、γ-GTP――健康診断の結果票で、これらの項目に「要再検査」「要精密検査」の印がついていませんか。「脂肪肝かもしれませんね」と言われたまま、受診せずにいる方も少なくないと思います。
脂肪肝は、肝臓に余分な脂肪がたまった状態です。自覚症状がほとんどないため放置されがちですが、一部の方では肝臓に炎症が起こり、線維化(組織が硬くなること)が進んで、将来的に肝硬変や肝がんにつながる可能性があります。
脂肪肝を数値で調べる「ATI検査」
通常の腹部超音波検査では、肝臓の見え方から脂肪肝の有無を判断します。これに対してATI(Attenuation Imaging)検査は、肝臓内で超音波がどの程度弱くなるかを測定し、脂肪の蓄積程度を数値で評価する検査です。
脂肪が多いほど数値が高くなるため、脂肪肝の程度を客観的に把握でき、食事・運動・減量などによる改善度合いを定期的に確認する際にも役立ちます。当院では、このATI検査に対応した最新の超音波装置を導入しています。
肝臓の硬さを調べる「SWE検査」
当院では、ATI検査に加えて「SWE(シアウェーブエラストグラフィ)検査」も実施できます。
ATIが「脂肪の量」を調べるのに対し、SWEは「肝臓の硬さ(線維化の進み具合)」を測定する検査です。
- ATI検査:肝臓にたまった脂肪の「量」を評価
- SWE検査:肝臓の「硬さ(線維化の可能性)」を評価
両方を組み合わせることで、脂肪肝の有無だけでなく、肝臓へのダメージがどこまで進んでいるかまで、より詳しく調べることができます。
いずれも通常の超音波検査と同じようにお腹に機器を当てるだけですので、痛みや放射線被ばくがなく、身体への負担が少ない検査です。

健診結果をそのままにせず、肝臓専門医へ
肝機能の数値が高くなる原因は、脂肪肝や飲酒だけではありません。ウイルス性肝炎、薬剤による肝障害、自己免疫性肝疾患などが隠れていることもあります。
当院では、日本肝臓学会の肝臓専門医が健診結果や生活習慣、血液検査、そしてATI・SWE検査の結果を総合的に分析し、患者さん一人ひとりに合った治療や生活改善をご提案します。
検査の受け方
ATI・SWE検査は、診察のうえ医師が必要と判断した場合に行います。
当日に絶食(お食事を抜いた状態)でご来院いただいており、検査枠に空きがある場合は当日の検査も可能です。ただし、当日の予約状況等により難しい場合は、後日の検査となる可能性がある点をご了承ください。
受診の際は、健康診断の結果票とお薬手帳を必ずお持ちください。
よくあるご質問
健診で肝機能の数値が少し高いだけでも、受診したほうがよいですか?
「要再検査」「要精密検査」と判定された場合は、一度受診をおすすめします。数値の上がり方がわずかでも、毎年のように指摘されている場合や、他の項目(血糖・脂質など)にも異常がある場合は、一度肝臓の状態を詳しく確認しておくと安心です。
お酒をほとんど飲みませんが、脂肪肝になりますか?
なります。肥満や糖尿病、脂質異常症などの代謝異常が背景にある脂肪肝は、お酒をほとんど飲まない方にも多くみられます。近年はこれらを「MASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)」と呼び、注目されています。
ATI検査・SWE検査は痛みがありますか?時間はどのくらいかかりますか?
通常の腹部超音波検査と同じようにお腹に機器を当てて測定するため、痛みや放射線被ばくはありません。ATI検査・SWE検査に要する検査時間は数分程度です(検査全体で20~30分程度)。
検査の前に食事を控える必要はありますか?
正確な検査を行うため、当日は絶食でお越しください(水や白湯など、糖分の含まれない水分摂取は問題ありません)。午後の受診を予定されている場合は、受診前6時間以上の絶食をお願いいたします。
検査の費用や保険は使えますか?
各種医療保険が適用されます。検査費用は3割負担の方でしたら超音波検査と合わせて2,200円程度ですが、患者さんの病状やこれまでの検査履歴(過去3ヶ月以内の実施有無など)によって算定の仕組みが異なるため、具体的な費用は受診時に窓口にてご確認ください。
脂肪肝と言われたら、どんな治療をしますか?
食事の見直しや運動、減量など生活習慣の改善が基本です。糖尿病や脂質異常症などを合併している場合は、その治療も並行して行います。定期的にATI・SWE検査で数値の変化を確認しながら、モチベーションを高めて改善に取り組んでいただけます。
受診するときに持っていくものはありますか?
健康診断の結果票をお持ちください。過去数年分があれば数値の推移がわかり、より正確な診断に役立ちます。また、日常的にお薬を飲んでいる方は、お薬手帳もあわせてご持参ください。
おわりに
健診で肝機能異常や脂肪肝を指摘された方、以前から異常を知りながら受診をためらっている方は、どうぞ下山記念クリニックの肝臓専門医にご相談ください。